AP競馬新聞の根幹を成すもの、それが3つの指数、『AP指数』、『推定FP』、『推定SP』です。
今回は『推定FP』の説明と使い方について記載していきます。
Twitterフォワーをもっと増やしたいです!ぜひフォローをよろしくお願いいたします!
展開予測は『推定FP』におまかせ!
0.展開予測はレース予想の重要なファクター
レース予想をするために、展開予測は非常に重要なファクター。
私も過去走の位置取りや前半3ハロンタイム、騎手の特徴などから予測しても、レースごとに何に重きを置いて予測するかによって、実際のレースと合わないことが発生していました。
AP競馬新聞では展開予測を掲載しています。
左から順に前へ行くと読み取り、予想の際に、展開予測を見て狙い馬がどのあたりを位置取るのか、これで一目で分かるようになっています。
展開予測は下記のような手順でモデル化をしました。
1 各馬の過去走のテンのスピードをFP指数化する
2 過去走の逃げ馬から位置取りをFP指数差で算出
3 今回、逃げる馬を予測し、レースの予測ペースを算出
4 予測ペース下で出せるFP指数を推定する
5 推定FP順に展開隊列を決める
1.過去レースのテンのスピードを指数化する
1 各馬の過去走のテンのスピードをFP指数化する
各馬の過去走のテンのスピードを指数化します。
【FP指数算出式】
FP指数=(前半3F基準タイムー前半3Fタイム)+馬場指数×距離補正×600/今回距離
◆前半3F基準タイム
各コースのクラス別に設定した基準タイム。過去の該当レースの前半3Fタイムの平均値を加工して使っています。1200m未満のレースは、全体タイムから後半3F基準タイムを引いた数値になります。
◆前半3Fタイム
各馬の前半3Fタイム。1200m未満のレースは、全体タイムから後半3Fタイムを引いた数値になります。
◆馬場指数
馬場の時計の出やすさを示す指数。
◆距離補正
指数1ポイントは距離によって重みが違うため、距離による補正をする。馬場指数は1600mを基準にして算出されているため、距離補正をかけて補正を行う。
AP競馬新聞の過去走欄にFP指数は掲載しています。
上段が前半3Fタイム、下段がFP指数を示しています。
前半3Fタイムが33.7秒、感覚的には速いですが、FP指数は-9です。函館芝1200mのこのクラスでは、平均より少し遅いということが分かります。
このように主観による前半3Fタイムの物差しはあいまいなので、判断も誤りやすくなってしまいます。FP指数はそういったあいまいさを排除できるメリットがあります。
2.『FP差』で過去レースの位置取りを指数化する
2 過去走の逃げ馬から位置取りをFP指数差で算出
過去走のレース前半3Fタイムを使って、逃げた馬のFP指数を算出します。
前項のレースの前半3Fタイムは、青枠で囲った33.1秒で、先ほど算出式を使って逃げ馬のFP指数が、-2であることが求められます。
この馬のFP指数と逃げ馬のFP指数の差をとると、この馬の道中の位置取りを示します。
(逃げ馬のFP指数:-2)-(当馬のFP指数:-9)=7
競馬新聞には番手表示があり、この馬は3角6番手ですが、逃げ馬から離れた6番手なのか、近接した6番手なのかがわかりません。FP差は逃げ馬からどのくらいの位置取りで競馬をしたのかを示しています。
このFP差を過去4走分算出します。
前走 11
2走前 6
3走前 7
4走前 18
この4走のFP差から、逃げ馬からFP差7~9あたりに位置付けそうだと予測できます。
3.レースペースを予測する
3 今回、逃げる馬を予測し、レースの予測ペースを算出
前項の手順を今回出走する全馬に行い、予測される位置取りをFP差で算出。2018年のスワンSでは、次のように算出されました。
馬番 | 馬名 | FP差 |
---|---|---|
1 | ドルチャーリオ | 5 |
2 | サフランハート | 7 |
3 | ベステンダンク | 0 |
4 | デアレガーロ | 6 |
5 | グァンチャーレ | 5 |
6 | レーヌミノル | 1 |
7 | キングハート | 12 |
8 | ロードクエスト | 6 |
9 | ヒルノデイバロー | 8 |
10 | モズアスコット | 9 |
11 | コウエイタケル | 11 |
FP差0、過去走のFP指数が高いベステンダンクが逃げると算出されました。
ベステンダンクのFP指数
前走 -9
2走前 -6
3走前 +5
4走前 障害戦のため算出不能
今回マークするであろうFP指数を-3と算出し、FP差1のレーヌミノルからの突き上げがあるという補正が入り、最終的にはFP指数を-1と推定しました。
京都芝1400mでFP指数-1の場合、ペースはA(速めの平均ペース)になります。ペース予測ができましたので、各馬のFP指数を推定していきます。
4.全馬のFP指数を推定する
4 予測ペース下で出せるFP指数を推定する
前項で逃げ馬のFP指数が-1と算出できましたので、いよいよ全馬のFP指数を推定していきます。
前項の各馬のFP差と逃げ馬のFP指数-1をもとに、FP指数を算出していきます。この時、過去走のレースペースに偏りがある場合は、補正を入れます。
ハイペースのレースばかり経験している場合は、FP指数も高く、スピードが鍛えられて追走が楽になり位置取りを前にすることがあります。
こういった補正を加えて算出されるFP指数、それが『推定FP』です。
スワンSの推定FPは次のようになります。
馬番 | 馬名 | FP差 | 推定FP |
---|---|---|---|
1 | ドルチャーリオ | 5 | -6 |
2 | サフランハート | 7 | -8 |
3 | ベステンダンク | 0 | -1 |
4 | デアレガーロ | 6 | -7 |
5 | グァンチャーレ | 5 | -3 |
6 | レーヌミノル | 1 | -2 |
7 | キングハート | 12 | -13 |
8 | ロードクエスト | 6 | -7 |
9 | ヒルノデイバロー | 8 | -9 |
10 | モズアスコット | 9 | -7 |
11 | コウエイタケル | 11 | -12 |
5.こうして隊列予測はできました!
5 推定FP順に展開隊列を決める
先ほどの推定FPを高い順に並べると、そのレースの隊列がみえてきます。AP競馬新聞の上段部分に掲載されています。
隊列予測とレースの推定ペースがわかると、どのあたりの位置取りで競馬をする馬に有利な展開になるのかを予測しやすくなります。
AP競馬新聞では、この隊列予測に『推定SP順位』、『AP指数順位』を併記することで、能力上位馬がどの位置取りかも素早く分かるようになっています。
最後に実際の通過順と比較してみましょう。
馬番 | 馬名 | FP差 | 推定FP | 通過順 |
---|---|---|---|---|
1 | ドルチャーリオ | 5 | -6 | 11-10 |
2 | サフランハート | 7 | -8 | 07-06 |
3 | ベステンダンク | 0 | -1 | 03-02 |
4 | デアレガーロ | 6 | -7 | 07-08 |
5 | グァンチャーレ | 5 | -3 | 05-04 |
6 | レーヌミノル | 1 | -2 | 01-01 |
7 | キングハート | 12 | -13 | 02-02 |
8 | ロードクエスト | 6 | -7 | 10-10 |
9 | ヒルノデイバロー | 8 | -9 | 05-06 |
10 | モズアスコット | 9 | -7 | 07-08 |
11 | コウエイタケル | 11 | -12 | 03-04 |
キングハートの2番手付けは全く予測できませんでしたが、それ以外は展開予測が的外れではないことが分かります。
『推定SP』の記事で、AP指数の世界をよりご理解いただけると思います。
AP競馬新聞は、こちらのバックナンバーからご覧ください。
応援クリック、よろしくお願いいたします!
[…] 勝てる競馬新聞 追求します『推定FP』とは? ~展開予測は推定FPに… […]