私の思い出深い菊花賞といえば、1994年ナリタブライアンが勝った菊花賞です。競馬にハマり始めていた頃に見たということもありますが、今でも鮮烈に覚えています。
ダービーを5馬身差の圧勝で2冠馬となり、夏を休養して迎えた秋緒戦、菊花賞トライアルの京都新聞杯。誰もが勝利を疑わなかった単勝1.0倍の支持を受けたナリタブライアンは、ここでスターマンにまさかの敗戦を喫す。それでも菊花賞では単勝1.7倍の1人気、だれもが3冠馬の誕生を期待していました。
レースはスティールキャストの大逃げで始まり、4コーナーで大外を回して4番手まで押し上げたナリタブライアンが直線に入り、いつものように重心をぐいっと低くして追い出すと、あっという間に突き抜けていました。7馬身差の圧勝で3冠を達成したのでした。
ナリタブライアンの追い出した時の低いフォームにゾクゾクした思い出深いレースです。
今年はどんなゾクゾク感を味わえるのか、非常に楽しみです。
菊花賞の展望をしていきたいと思います。
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2018菊花賞の展望
1.過去6年の入着馬
過去6年の入着馬一覧です。
2017年 | FP | SP | AP | AM | 差 | 枠番 | 馬番 | 馬名S | 通過順 | 走破タイム | 上り3F |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 4 | 1 | S+ | 0 | 7 | 13 | キセキ | 14-12-07 | 3189 | 39.6 | |
2 | 8 | 2 | 4 | クリンチャー | 11-07-02 | 3192 | 40.2 | ||||
3 | 10 | 7 | 14 | ポポカテペトル | 07-07-03 | 3192 | 40.1 | ||||
2016年 | FP | SP | AP | AM | 差 | 枠番 | 馬番 | 馬名S | 通過順 | 走破タイム | 上り3F |
1 | 2 | 1 | S+ | 0 | 2 | 3 | サトノダイヤモンド | 08-09-05 | 3033 | 34.1 | |
2 | 1 | S | 0 | 6 | 11 | レインボーライン | 14-16-12 | 3037 | 34.2 | ||
3 | 3 | 1 | 7 | 13 | エアスピネル | 03-05-05 | 3037 | 34.6 | |||
2015年 | FP | SP | AP | AM | 差 | 枠番 | 馬番 | 馬名S | 通過順 | 走破タイム | 上り3F |
1 | 4 | 2 | 21 | 2 | 4 | キタサンブラック | 05-10-08 | 3039 | 35.0 | ||
2 | 3 | 1 | S+ | 0 | 6 | 11 | リアルスティール | 08-07-07 | 3039 | 35.1 | |
3 | 1 | 1 | 3 | C+ | 5 | 8 | 17 | リアファル | 02-04-03 | 3040 | 35.3 |
2014年 | FP | SP | AP | AM | 差 | 枠番 | 馬番 | 馬名S | 通過順 | 走破タイム | 上り3F |
1 | 1 | 3 | C+ | 1 | 1 | 2 | トーホウジャッカル | 05-05-02 | 3010 | 34.5 | |
2 | 1 | S+ | 0 | 2 | 4 | サウンズオブアース | 10-08-04 | 3011 | 34.4 | ||
3 | 2 | 3 | 23 | 5 | 10 | ゴールドアクター | 05-07-06 | 3017 | 35.0 | ||
2013年 | FP | SP | AP | AM | 差 | 枠番 | 馬番 | 馬名S | 通過順 | 走破タイム | 上り3F |
1 | 4 | 5 | 1 | S+ | 0 | 2 | 3 | エピファネイア | 03-02-02 | 3052 | 35.9 |
2 | 3 | 9 | 7 | 14 | サトノノブレス | 07-06-04 | 3060 | 36.2 | |||
3 | 2 | 1 | 25 | 5 | 10 | バンデ | 01-01-01 | 3060 | 36.9 | ||
2012年 | FP | SP | AP | AM | 差 | 枠番 | 馬番 | 馬名S | 通過順 | 走破タイム | 上り3F |
1 | 4 | 1 | S+ | 0 | 1 | 1 | ゴールドシップ | 17-04-02 | 3029 | 35.9 | |
2 | 2 | 11 | 8 | 16 | スカイディグニティ | 12-07-04 | 3032 | 36.1 | |||
3 | 4 | 9 | 7 | 15 | ユウキソルジャー | 12-12-10 | 3035 | 36.0 |
『S+』馬が6年連続連対。推定SPが毎年平均2頭ずつ3着内を確保しており、傾向の出やすそうなレースです。
2.AP指数戦績一覧
AP競馬新聞の基本指数であるAP指数、推定FP、推定SPや枠順や前走距離別の戦績をまとめ、傾向分析のためのキーワードを探っていきます。データは、2012年~2017年のデータを使います。
[AP指数順位別]
順位 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1 | 4- 3- 0- 3/10 | 40.0 | 70.0 | 70.0 |
2 | 0- 0- 0- 4/ 4 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
3 | 1- 0- 1- 6/ 8 | 12.5 | 12.5 | 25.0 |
4 | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
4位以内 | 5- 3- 1-16/25 | 20.0 | 32.0 | 36.0 |
5位以下 | 1- 3- 5-74/83 | 1.2 | 4.8 | 10.8 |
AP指数1位が複勝率70%、これが戦績を押し上げているのでAP指数4位以内は5位以下に比べると3倍近く複勝率が高い。しかし、2位以下が好走に直結しているようには見えないデータなので、あくまで注目はAP指数1位といえる。
[推定FP順位別]
順位 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1 | 0- 0- 1- 6/ 7 | 0.0 | 0.0 | 14.3 |
2 | 0- 0- 2- 5/ 7 | 0.0 | 0.0 | 28.6 |
3 | 0- 0- 0- 4/ 4 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
4 | 2- 0- 1-10/13 | 15.4 | 15.4 | 23.1 |
5 | 0- 0- 0- 4/ 4 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
5位以内 | 2- 0- 4-29/35 | 5.7 | 5.7 | 17.1 |
6位以下 | 4- 6- 2-61/73 | 5.5 | 13.7 | 16.4 |
推定FPは6位以下が3着内12回と5位以内よりも多く馬券になっています。複勝率でみると5位以内と6位以下でほぼ同じであるので、推定FPにこだわる必要はなさそう。
[推定SP順位別]
順位 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1 | 1- 0- 2- 4/ 7 | 14.3 | 14.3 | 42.9 |
2 | 2- 1- 0- 2/ 5 | 40.0 | 60.0 | 60.0 |
3 | 0- 2- 2- 4/ 8 | 0.0 | 25.0 | 50.0 |
4 | 2- 0- 0- 4/ 6 | 33.3 | 33.3 | 33.3 |
5 | 1- 0- 0- 4/ 5 | 20.0 | 20.0 | 20.0 |
5位以内 | 6- 3- 4-18/31 | 19.4 | 29.0 | 41.9 |
6位以下 | 0- 3- 2-72/77 | 0.0 | 3.9 | 6.5 |
AP指数順位よりも強い傾向が出ているのが推定SP順位です。過去6年で推定SP6位以下は勝ち馬なし、複勝率6.5%と消し条件に該当しています。やはり淀の3000mは末脚の裏付けがないと厳しいということです。
[枠別]
枠番 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1枠 | 2- 0- 0-10/12 | 16.7 | 16.7 | 16.7 |
2枠 | 3- 2- 0- 7/12 | 25.0 | 41.7 | 41.7 |
3枠 | 0- 0- 0-12/12 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
4枠 | 0- 0- 0-12/12 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
5枠 | 0- 0- 2-10/12 | 0.0 | 0.0 | 16.7 |
6枠 | 0- 2- 0-10/12 | 0.0 | 16.7 | 16.7 |
7枠 | 1- 1- 3-13/18 | 5.6 | 11.1 | 27.8 |
8枠 | 0- 1- 1-16/18 | 0.0 | 5.6 | 11.1 |
中枠が戦績が低下するという結果がでていますが、なぜのかがよく分かりません。結果に対する説明がつかないので、少々使いにくいデータです。
推定SPを中心に分析してみると面白い傾向がみえてきそうです。
3.AP指数的買い!と消し!
ここでは買い条件、消し条件を以下のようなマークで示していきます。
鉄板 複勝率80%以上の極上買い条件
買い 複勝率66%以上の買い条件
消し 複勝率10%未満の消し条件
超消 複勝率3%未満の超消し条件
買い、消しを2段階に分け、明確な数値基準を設けていますので、このマークに着目して読み進めてください。
鉄板① 推定SP5位以内で前走神戸新聞杯
推定SP5位以内で複勝率40%超えでしたので、前走のレースに着目してみてみます。
[推定SP5位以内の前走レース別]
レース | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
神戸新聞杯 | 5- 2- 2- 2/11 | 45.5 | 63.6 | 81.8 |
セントライト記念 | 1- 1- 0-12/14 | 7.1 | 14.3 | 14.3 |
兵庫特H1000 | 0- 0- 1- 0/ 1 | 0.0 | 0.0 | 100.0 |
支笏湖特1000 | 0- 0- 1- 0/ 1 | 0.0 | 0.0 | 100.0 |
九十九里1000 | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
東京スポーツ杯 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
習志野特1000 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
神戸新聞杯組が圧倒しています。もともと神戸新聞杯組が、5-3-3-32で複勝率26%なので、推定SPと組み合わせて80%超えは驚異的な数字です。これは大注目の鉄板条件です。
買い① 『S+』馬
これは分析とは言えませんね。
[『S+』馬の戦績]
4-2-0-2
着外に負けたのは
2016年ミッキーロケット 4人気5着
2016年レッドエルディスト 5人気9着
共通しているのは3角10番手以下で後方からの競馬になっていたこと。連対している馬は全てそれより前で競馬していました。
消し① 推定SP6位以下の前走条件戦
推定SP5位以内の複勝率が高いので、逆に推定SP6位以下で消し条件を探っていきます。
[推定SP6位以下の前走クラス別]
レース | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
同クラス | 0- 3- 1-51/55 | 0.0 | 5.5 | 7.3 |
昇級戦 | 0- 0- 1-20/21 | 0.0 | 0.0 | 4.8 |
前走条件戦を勝ち上がってきた場合、複勝率4.8%で消し条件に該当します。3着1回は、2017年のポポカテペトルでした。当馬と他の菊花賞着外馬の違いは、前走を上がり3ハロン順位8位の勝ち馬という点です。速い上がりを使って勝ち上がってきた馬はことごとく、それ以上の脚を使えるトライアル組に蹴散らされています。しぶとく長くいい脚を使えるタイプが好走する可能性を残しているといえます。
4.主な登録馬の短評
菊花賞登録馬の一覧とAP指数は以下のリストを参照ください。
AP指数は補正前の生値であることをご了承ください。赤字はプラス要素、青字はマイナス要素。
エタリオウ
前走神戸新聞杯組の中では最先着の2着、AP指数82をマークし、メンバー最上位。
神戸新聞杯のAP指数82は、過去6年で2013年エピファネイアの90、2012年ゴールドシップの83に次ぐ3番目に高い数値。おおよそ神戸新聞杯でのAP指数79以上あると安定して勝負になっているので、AP指数82というのは心強い。
神戸新聞杯でエンジンの掛かりが悪いのは相変わらずだったので、坂の下りで加速をつけられる点で京都替わりもプラスに働く。人気になりそうだが、注目の一頭。
メイショウテッコン
前走の神戸新聞杯で3着、この時のAP指数82が自身最高値。エタリオウの項でも挙げたが神戸新聞杯でAP指数79以上をマークしていると菊花賞でも勝負になるので、基準はクリアしている。
神戸新聞杯ではSP指数+17で、勝ち馬ワグネリアンのSP指数+11をしのぎトップ。1コーナーの進入時馬体を接触させながらもハナを切り、差し馬優勢のレースの中で一頭だけ残しており、最も評価のできる競馬をしている。
SP指数が高値で安定しているので、おそらく推定SP順位も上位になるはず。買い条件である、推定SP上位かつ神戸新聞杯組に該当するのもプラス。
エポカドーロ
前走神戸新聞杯はスタートであわや落馬というアクシデントがあり、後方から差しに回して4着。AP指数80、SP指数+7で前述の上位2頭と比較すると指数的には見劣るが、こちらも神戸新聞杯組好走のAP指数しきい値79はクリアしている。
本来は2段ギアをすばやく変えて、長くいい脚を使うタイプなので、先行することが理想。こちらはエタリオウと違い、いかに坂をうまくスタミナを温存して下れるかがポイント。
皐月賞、ダービーの最先着馬であり、実績は十分。神戸新聞杯は秋緒戦、スタートでのアクシデントを考慮すると上昇度という点では一番かもしれない。
ジェネラーレウーノ
前走セントライト記念で1着、AP指数74、SP指数-3をマークし、自身最高値。
セントライト記念組では2012年のスカイディグニティのAP指数76に次ぐ高いAP指数での出走となる。ただし、セントライト記念組のAP指数はアテにできない傾向があり、入着した3頭は、次のような指数をマーク。
年 | 馬名 | AP | SP |
---|---|---|---|
2017 | クリンチャー | 67 | +2 |
2015 | キタサンブラック | 59 | -3 |
2012 | スカイディグニティ | 76 | +2 |
AP指数70以上をマークした馬もごろごろいるが、菊花賞では好走していないので、一概にAP指数70程度あれば好走できるとも言い切れない。
ブラストワンピース
前走、新潟記念で1着、AP指数75、SP指数-5をマーク。このローテーションは過去例がなく、判断をつけにくいが、負かした相手がメートルダール、セダブリランテスといったGⅢレベルなので、同世代の一線級とは差があるように思われる。
毎日杯でマークしたSP指数+12はメンバー中2位で、推定SP順位が高く出てくる可能性はあり、その点には注目しておきたい。
アフリカンゴールド
兵庫特別(100万下)を1着、AP指数71、SP指数+6をマーク。この値が自身最高値となっている。
兵庫特別からの臨戦は過去4頭いて、0-0-1-3。2013年にバンデがAP指数63で勝ち上がり、3着している。バンデは菊花賞で推定SP1位での出走で、他の3頭は推定SPが低かった。AP指数71は兵庫特別組としては最高値となるが、注目は推定SP順位になる。
シャルドネゴールド
レインボーSで2着、AP指数64をマークしての臨戦。3走前の京都新聞杯で3着、AP指数78をマークしたのが最高値。ただし、京都新聞杯ではステイフーリッシュがAP指数81をマークして先着しており、強調材料に乏しい。
余談ではあるが、今年の夏の中京で当馬を生で見たので、なんとなく応援したくなっている。
まとめ
今年は例年に比べるとセントライト記念組の指数が高く出ているので、一応の注意は払いますが、基本的には神戸新聞杯上位組を中心に考えていくレースです。
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