クイーンSの展望
秋のGⅠ戦線をにらむ実力馬の始動と秋の飛躍のために叩き上げてきた馬とがぶつかる牝馬重賞です。過去を振り返りながら、AP指数的な法則を見つけ、展望していきます。
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1.主な登録馬の過去4走のAP指数
まずは登録馬と過去4走の戦績、マークしたAP指数、SP指数を見ていきます。下記リンク先のGoogleドライブに格納したファイルをご覧ください。
※AP指数は補正前の生値になりますので、レース当日のAP指数とは異なります。
最近の戦績がよい馬とコース関連度の高いコースでAP指数、SP指数が高い馬を見ていきます。
ソウルスターリング
前走のヴィクトリアマイル(東京芝1600m、コース関連度D)で0.4秒差の7着、AP指数80とメンバー中最高。このレースで0.3秒先着された4着アエロリットが安田記念2着、0.3秒先着した9着ワントゥワンが中京記念5着と、メンバーのその後の戦績からもGⅢクラスならば勝負になる。
エテルナミノル
前走、函館記念(函館芝2000m、コース関連度D)で3着、AP指数74をマーク。マーメイドSでアンドリエッテに1秒差、ヴィクトリアマイルでソウルスターリングに1秒差つけられているので、能力的には1枚落ちの印象。
アンドリエッテ
2走前のパールS(京都芝1800m、コース関連度D)で3着、AP指数70とメンバーの中では上位のAP指数をマーク。少々メンバーに恵まれた感はあるものの、前走マーメイドSで初重賞制覇。勢いはある。
ディアドラ
4走前の秋華賞(京都芝2000m、コース関連度D)でAP指数74をマークし、快勝。メンバーの中でも高い指数をマークしている。前走はドバイターフでAP指数の算出はできないが、クビ差先着されたヴィブロスが宝塚記念で4着と好走しており、能力的にはこのクラスならば上位と見てよさそう。
2.過去6年の傾向分析
過去6年の傾向をAP指数的に分析していきます。
2017年 | FP | SP | AP | AM | 差 | 枠番 | 馬番 | 馬名S | 通過順 | 走破タイム | 上り3F |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 2 | B+ | 3 | 2 | 2 | アエロリット | 01-01-01 | 1457 | 35.5 | |
2 | 1 | 5 | 17 | 1 | 1 | トーセンビクトリー | 07-06-05 | 1461 | 34.4 | ||
3 | 3 | 3 | C+ | 4 | 4 | 4 | クインズミラーグロ | 10-10-07 | 1463 | 34.4 | |
2016年 | FP | SP | AP | AM | 差 | 枠番 | 馬番 | 馬名S | 通過順 | 走破タイム | 上り3F |
1 | 2 | 9 | 2 | 2 | マコトブリジャール | 04-04-04 | 1477 | 33.8 | |||
2 | 2 | 11 | 7 | 11 | シャルール | 02-02-02 | 1477 | 34.0 | |||
3 | 4 | 10 | 1 | 1 | ダンツキャンサー | 08-07-07 | 1481 | 34.0 | |||
2015年 | FP | SP | AP | AM | 差 | 枠番 | 馬番 | 馬名S | 通過順 | 走破タイム | 上り3F |
1 | 16 | 8 | 10 | メイショウスザンナ | 09-07-07 | 1471 | 34.1 | ||||
2 | 3 | 4 | D+ | 8 | 2 | 2 | レッドリヴェール | 03-03-03 | 1471 | 34.6 | |
3 | 5 | 3 | C | 4 | 6 | 6 | イリュミナンス | 03-04-04 | 1473 | 34.6 | |
2014年 | FP | SP | AP | AM | 差 | 枠番 | 馬番 | 馬名S | 通過順 | 走破タイム | 上り3F |
1 | 5 | 5 | 1 | A+ | 0 | 2 | 2 | キャトルフィーユ | 04-03-03 | 1457 | 35.2 |
2 | 1 | 8 | 5 | 8 | アロマティコ | 13-14-10 | 1457 | 34.4 | |||
3 | 2 | 5 | 4 | 6 | スマートレイアー | 13-12-10 | 1457 | 34.5 | |||
2013年 | FP | SP | AP | AM | 差 | 枠番 | 馬番 | 馬名S | 通過順 | 走破タイム | 上り3F |
1 | 3 | 5 | 1 | A | 0 | 5 | 5 | アイムユアーズ | 02-02-02 | 1494 | 37.0 |
2 | 2 | 31 | 6 | 6 | スピードリッパー | 08-08-08 | 1494 | 36.4 | |||
3 | 2 | 4 | D+ | 14 | 1 | 1 | オールザットジャズ | 03-03-03 | 1495 | 36.9 | |
2012年 | FP | SP | AP | AM | 差 | 枠番 | 馬番 | 馬名S | 通過順 | 走破タイム | 上り3F |
1 | 3 | 2 | 6 | 5 | 8 | アイムユアーズ | 05-05-04 | 1472 | 34.7 | ||
2 | 4 | 3 | 8 | 14 | ラブフール | 14-13-12 | 1472 | 33.7 | |||
3 | 5 | 12 | 6 | 10 | ミッドサマーフェア | 08-07-09 | 1473 | 34.6 |
傾向① 推定SP5位以内かつ1-6枠馬は好走率が高い
まず目につくのが推定SP5位以内馬です。毎年3着以内に2頭は食い込んでいます。
推定SP5位以内: 4-5-5-17
上がりの速さを求められている傾向があるので、推定SPが必要になることも読み取れます。枠順別に戦績を見てみます。
枠番 | 着別度数 |
---|---|
1枠 | 0- 1- 2- 3/ 6 |
2枠 | 3- 1- 0- 2/ 6 |
3枠 | 0- 0- 0- 8/ 8 |
4枠 | 0- 0- 2- 8/10 |
5枠 | 2- 1- 0- 7/10 |
6枠 | 0- 1- 2- 7/10 |
7枠 | 0- 1- 0-10/11 |
8枠 | 1- 1- 0- 9/11 |
過去5年の札幌芝1800m全体の枠別複勝率を見てみると、内、中、外で、32%-30%-16%と外枠不利の傾向が見られます。枠別に推定SP5位以内馬と6位以下馬の戦績を見ていきます。
枠 | 推定SP | 着別度数 |
---|---|---|
内 | 5位以内 | 2-2-2-5 |
6位以下 | 1-0-0-8 | |
中 | 5位以内 | 2-1-3-5 |
6位以下 | 0-1-1-17 | |
外 | 5位以内 | 0-2-0-7 |
6位以下 | 1-0-0-12 |
内枠、中枠ともに推定SP5位以内であれば、複勝率50%超えです。ここからさらにAP指数での切り分けも試みましたが、明確な傾向は出ませんでした。人気で見てみると、
9人気以内: 4-3-4-7
10人気以内: 0-0-1-2
期待値から考えても人気薄でも拾う必要はあります。
3.ステップレース別傾向分析
この項では臨戦過程別に見ていきましょう。こちらもGoogleドライブに格納したファイルを参照ください。
このリストは、過去6年のクイーンS出走馬が経験してきたレースでマークしたAP指数をごとにクイーンSでの複勝率を出したものです。
表の見方については、中京記念時のものを参考にご説明いたします。
米子Sを例に取ります。過去6年で米子Sを使って中京記念に出走した馬は延べ16頭います。その内3着以内には4頭が入っています。
この16頭の内、AP指数最高値は72をマークしています。中央部72が黄色ハッチングされていますが、これは72をマークした馬が中京記念で3着以内に50%以上の確率で走っていることを示しています。
右へ数字が1つずつ減らしていき、71では複勝率33%以上、70と68では複勝率20%以上というように読み取ります。
つまり、そのレースでどのくらいのAP指数をマークしていると、中京記念ではどのくらいの確率で3着以内に来るのかを予測することができます。
また、そのレースでのAP指数が中京記念との関連度が高ければ、最高値付近では高い複勝率を示します。逆に関連度が低いと白抜きのような低い複勝率を示します。このような場合、いくら高いAP指数を示していたとしても割引が必要になります。
それでは、臨戦過程別に見ていきます。
福島牝馬S(3着内率:9/24)
毎年3着内に1頭は輩出している注目のステップレース。AP指数69でも複勝率66%以上と高く、後述のヴィクトリアマイルなどAP指数が高めに出てくるレースがあるため、AP指数が目立ちにくくなる厄介なステップレース。今年はトーセンビクトリーが0.5秒差4着、AP指数69で、複勝率66%以上となる。
マーメイドS(3着内率:4/21)
このレースで好走してクイーンSを好走した馬は2017年クインズミラーグロ(マーメイドS2着→クイーンS3着)のみ。負けは関係ないというよりもマーメイドSの関連度が低い、それはAP指数73~60まで3着以内なしというデータからも裏付けられる。このレース出身で本番に好走している馬は、前述の福島牝馬Sなどでの高AP指数マーク馬だった。今年は、アンドリエッテよりもトーセンビクトリーを注目している。
ヴィクトリアマイル(3着内率:7/21)
AP指数78以上で複勝率66%以上と高い関連度を誇る。ヴィクトリアマイルで凡走していたとしても、ここでは巻き返すので、常に警戒が必要なレース。今年はソウルスターリングが、過去最高値のAP指数80をマークしての参戦。
桜花賞(3着内率:4/7)
AP指数60以上で80%以上の複勝率を誇り関連度の高いレース。今年はリバティハイツが0.7秒差6着でAP指数60で出走で、複勝率80%以上。過去の好走馬とそん色ない。
中山牝馬S(3着内率:5/17)
AP指数72で白抜き、57までで33%以上の複勝率。今年は3頭出走、フロンティアクイーンが0.1秒差2着でAP指数60、トーセンビクトリーが0.3秒差4着でAP指数60、エテルナミノルが0.6秒差10着でAP指数58といずれも複勝率33%以上。
秋華賞(3着内率:3/11)
3歳牝馬クラシックの中で最も関連度が低く出ているレース。AP指数74以上で複勝率50%以上、AP指数64以上で複勝率33%以上となり、今年はディアドラが1着、AP指数74をマークして出てくる。
4.展望と気になる馬
このレースは上がりの速さが必要とされることが多く、推定SP5位以内馬に注目しておく必要があります。これは当日のAP競馬新聞をご覧いただくしか方法がありません。推定SPが分からない時点での気になる馬は以下になります。
トーセンビクトリー
マーメイドSではトップハンデでHペースの逃げをうち惨敗しているが、関連度の高い福島牝馬SでAP指数69をマークしており、巻き返す要素は十分にある。
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